『痛くない死に方』『けったいな町医者』完成披露試写会 2月2日(火) 渋谷ユーロライブ

『痛くない死に方』『けったいな町医者』完成披露試写会
2月2日(火) 渋谷ユーロライブ

本誌で連載中の在宅医療のスペシャリスト・長尾和宏先生のベストセラー『痛くない死に方』『痛い在宅医』を原作にした映画『痛くない死に方』の完成披露試写会が2月2日(火)に行われた。
同作は高橋伴明監督が脚本も担当、肺がん患者を苦しめて死なせてしまった在宅医・河田仁(柄本佑)が悩み、長尾をモデルとした先輩医師・長野(奥田瑛二)の指導の下、在宅医だからこそできる医療を模索し、患者に寄り添う医療を目指して成長する姿を描く。

実際に長尾医師の診療現場に丸一日付き添って役作りをした柄本は、長尾医師を「愛情が深くておしゃべりがうまい先生」と表現、患者さんの手や腰を触る姿を演技に取り入れたという。
肺がんで苦しみながら死んだ父親を看取った娘役の坂井真紀は、「他人事ではないシチュエーションですので、智美と同じような気持ちでおりました」と明かした。奥田は「監督が伴明さんと聞いて、やる! 」と即決。台本が届いたら主演が息子で驚いたという。「主役をなるべく邪魔しないように」と気を遣ったが、柄本は「家族の中で一番多く共演しているのでフラットに入れた」と振り返る。

映画は、在宅医療を始めたばかりの未熟な河田が在宅医療に失敗する前半と、先輩医師のクリニックで学び成長していく後半で構成。監督の高橋は「原作は『痛い在宅医』というタイトルで、この本の重苦しい内容だけでもお話は作れたが、自分はどういう死に方をするのか考え始めたら、苦しい前半に加えて、後半では自分が今考えられる理想の死を描きました」と語った。

当日は、『痛くない死に方』の他に、長尾医師を追ったドキュメンタリー『けったいな町医者』も披露され、会場は涙と笑いで包まれた。両作品ともに、全国の映画館で公開中。

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