セミナーレポート 第18回日本福祉大学ケアマネジメント研究セミナー

セミナーレポート
第18回日本福祉大学ケアマネジメント研究セミナー

テーマ 「利用者にとって『価値あるケアマネジメント』とは ~次世代に求められるケアマネジャー像~」

2023年1月29日(日)、日本福祉大学福祉社会開発研究所主催、日本福祉大学ケアマネジメント技術研究会共催のもと、第18回日本福祉大学ケアマネジメント研究セミナーが開催された。同セミナーは日本ケアマネジメント学会の認定ケアマネジャー更新要件ポイント(2単位)が付与される。

時間がかかっても「思考」し続け、
利用者と家族の状況の全体像把握を

冒頭では渡部律子氏(日本女子大学名誉教授)が、ソーシャルワークや対人援助実践者、そして教育者の立場から「利用者主体のケアマネジメントとは」をテーマに基調講演を行った。

渡部氏は、「利用者主体」とはすなわち「利用者1人ひとりが固有性をもつ存在として大切にする」ということであり、目先の「効率化と生産性」に捉われず「真の人権を尊重した支援」を行うことが重要だと述べた。そのためには「利用者や家族のおかれている状況の全体像把握(アセスメント)」が肝心だと、渡部氏。ソーシャルワークの対人援助による統合的・多面的アセスメントの意義を、事例をとおして伝えた。
渡部氏によると、アセスメントは、利用者本人と家族や関係者などへの聞き取り、利用者の人生の時代背景など広範な情報収集とそれらの分析、役割の範囲でできる支援計画の作成、そのレポートを書くところまですべてのプロセスを指す。思考・再考し続けることが必要で、時間はかかるが価値のあることだと強調した。

重要なのは、面接時に相談者の相談の意図・ニーズを汲み取り、相談者の思考整理のサポートをする「相談援助面接」スキルの向上だと渡部氏。状況の全体像把握を目指して話を聞くと、利用者やその家族がもっている潜在的な力に気付くことができるという。

渡部氏が提示した利用者主体のケアマネジメントの実現に向けて解決すべき課題とは。また、シンポジウムで4名のシンポジストが語った「利用者にとって『価値あるケアマネジメント』のあり方」とは。
第18回日本福祉大学ケアマネジメント研究セミナーのレポートは、2023年3月号に掲載しています。ぜひ誌面でお読みください。

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